2009-02-17 22:21

東中野図書館から歩く 第2回「東中野〜中野」前編

投稿者:高橋

第1回からどれほどたったかわかりませんが、第2回です。

東中野図書館から、中野までをあるきました。山手通りをわたって、東中野2丁目のセブンイレブンの脇の道をはいります。しばらくいくと上野原幼稚園と教会が右手にみえてきます。東中野図書館もそうですが、このあたりは山手通りから一本はいっただけでとてもしずかで、通りからみえるまちとはまた異なるまちのすがたがあります。中央線の線路からもそれほどはなれていないにもかかわらず、電車の音もほとんどきこえてきません。道の両側には住宅がならび、高いたてものはなく、家の庭に生えている木々のみどりがゆたかで、もっと都心からはなれた郊外のまちをあるいているようです。

T字路を右にまがり、すこしあるくと公園があり、その前をさらにまっすぐいくと「城山本通り」という小さな商店街があります。 この「城山本通り」につづくすこし急な坂道が、わたしにはとてもおもしろく、何度かふりかえってはまたのぼり、おりてはふりかえるをくりかえしてしまいました。わたしの住む東京低地には坂がないので、細い道が傾斜していることが珍しく、からだがびっくりしてしまうのです。坂だけでなく、商店がならぶ細い商店街はそれだけでおもむきがありますが、そこに傾斜がくわわると、旅情すら感じてしまうくらい、わたしの知る東京とはことなる東京の風景です。

東京の坂道というと『タモリのTOKYO坂道美学入門』などでも紹介されている、港区や文京区などの山の手の坂道、それも「○○坂」と名前のついた歴史ある坂道のことをいう場合がほとんどですが、わたしみたいに坂道慣れしていない東京低地人には、中野や練馬にあるような、武蔵野台地のゆるやかな傾斜そのものをからだに感じる、名前もついていないふつうの坂道が魅力的だったりします。坂の傾斜から台地そのものの動きがみえてくるような、もう少し田舎の坂ということです。中野の地名自体、武蔵野の中央という意味だそうですから、わたしの坂の感じ方もそれほどまちがっていないのかもしれません。

商店街をぬけてさらにまっすぐすすむと、左手に先ほどの公園よりもすこしおおきな公園があります。公園の入り口に看板があり、みると「東京府立農業試験場の跡」とかかれていました。この辺一帯は明治23年に東京府が設立した農業試験場がおかれていたそうです。「野菜や草花の温室による促成栽培試験などもふくめ、多くの面で東京近郊の農業技術改良に少なからぬ影響を与え」たとあります。東京23区の都心部の周縁には、山の手でも下町でもない、かつて近郊農村だった地域ががひろがっています。今や東京都区部の人口の多くは、それらかつての周辺部地域に集中(集周辺?)しており、もちろん中野区もそうした地域の一部です。いまでは都市化してかつての農村のすがたをしのばせるような光景はありませんが、それでもこうした看板にかかれている歴史や、土地そのものの起伏などから、武蔵野にひろがる江戸近郊農村としての記憶を感じることはできます。

すこしながくなってしまったので、中野駅までのみちのりは、次回につづきます。

DSCN2287.JPG
前回は絵でしたが、今回は写真で。

今回の参考図書
・『タモリのTOKYO坂道美学入門』(中央、東中野所蔵あり)
・『なかのものがたり』(全館所蔵あり)

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