2018-09-07 10:20

「いとうみく 講演会とおはなし会」レポート

投稿者:admin

8月28日(火)文化総合センター大和田学習室にて「いとうみく 講演会とおはなし会」を開催いたしました。

講師としてお迎えしたいとうみく先生は、絵本からヤングアダルト向けの読み物まで幅広い著作をお持ちの児童文学作家。
作品同様お話も面白くとても素敵な方です。

今回の講演では、出版社や同人誌への投稿時代から、創作秘話、作家としての心構えなどを、
具体的なエピソードを交えて楽しくお話して下さいました。

どの作品でも日常のふとした出来事、身近な人の何気ない一言が創作のきっかけになって、
そこから登場人物が生まれ物語も進んでゆくそうです。
「ストーリーを決めずに書き進めるので書いていて破綻することもあります!」との言葉には会場の参加者から驚きの声も!
そういった場合は初めから全て書き直すそうで、1作1作に費やされる労力には圧倒させられます。

「登場人物の言動に責任を持つ、無責任なことはさせないのが、作家としての責任」とのお話には、
責任と同時にご自身が生み出された登場人物への深い愛情も感じられ、特に印象的でした。

また、来場されていた出版社の編集の方や、同人のお仲間もご紹介下さり、
出版や物語創作にはたくさんの人が関わっていることを改めて実感することができました。

(絵本作家かさいまりさんもいらっしゃいました)
絵本作家かさいまりさん

講演の最後には「にいちゃんのなみだスイッチ」を朗読して下さいました。

休憩を挟んで、先日の読み聞かせ講座修了生と有志の中高生5人によるおはなし会を行いました。

「そらまめくんのベッド」「パパ、お月さまとって」「ルラルさんのごちそう」「はじめてのおつかい」「よりみちエレベーター」を、順番に読んでくれました。

5人とも大勢の大人の前でも落ち着いていて、聴く人にお話が届くよう気をつけて読んでくれました。
特に今年度の修了生は、講座の発表会の時よりも格段に上達が感じられ、
日が浅い中さらに練習を積んでくれていたのが分かりました。

参加された方から「子どもによる読み聞かせは初めてでしたがとても新鮮でよかったです」と感想をいただき、
こちらとしても嬉しかったです。

また、参加した生徒から「講演会でのいとうみくさんのお話はとても興味深く、
『こんな考えもあるのか』と驚きましたし、この講演会が先生の著書を拝見するきっかけにもなりました。
頂いた本も早速読み始めています。

また、つたない読み聞かせになってしまいましたが、あんなに大勢の人の前で読み聞かせをするのは初めてで、
とてもいい経験になりました。
読み聞かせ講座で教えていただいたことを、少しでもいかせていたら嬉しいです。
今回の講演会にお誘いいただけて、ありがとうございました。自分ひとりでは参加どころか、
講演会のことすら知らなかっただろうことを考えると感謝の気持ちでいっぱいです。」
と嬉しい礼状をいただきました。

法人主催として久しぶりの講演会のため、至らない点も多々あったかと思いますが、
いとうみく先生やおはなし会参加の中高生たちのおかげで、良い会にすることが出来ました。

ご来場の皆さま、ご尽力下さった方々に心から感謝いたします。有難うございました。

2018-08-12 12:00

「第2回中高生のための読み聞かせボランティア講座」レポート

投稿者:admin

猛暑のなか8月2日(木)、3日(金)の二日間に渡り「中・高生のための読み聞かせボランティア養成講座」を開催しました。

参加者は中学1年生から高校2年生までの5名。
誰かに絵本を読んでみたい、親に勧められて、ボランティアをする際に活かしたい、等々、
参加理由はそれぞれでしたが絵本好きという点では一致しており、
開講前、会場にズラリと並べておいた絵本を前に、「この絵本のここが好き」と絵本談義が尽きず、少々遅れて講座がスタート。

まずは、持参した“読みたい絵本”と共に自己紹介。
お互いの距離をほんの少し縮めた後、早速、読み聞かせとはどういうものかという話から入り、
読み聞かせに向く本、向かない本をたくさんの絵本を例に挙げながら解説していきました。

絵本についてもう少し深く掘り下げて伝えることができなかったという反省点もありますが、
みなさんとても熱心に耳を傾けメモをとっていて、
講師が一番伝えたかった「選書で大切なことは、自分で読んで楽しいと思う絵本であること」はバッチリ伝わったと思いました。

1日目、本をきちんと持つ

午後の講義はおはなし会からスタート。
童心にかえったつもりで「ただただ楽しんでください」と前置きしましたが、
読み聞かせの技術やプログラムの立て方を参考にしてもらうねらいもありました。
テーマは「夏休みの一日」。
対象は小学1年生。場所は小学校の教室という設定です。

プログラムは以下のとおり。
1.(手遊び)ひげじいさん
2.(絵本)『よあけ』ユリ・シュルビッツ/作・絵 瀬田貞二/訳 福音館書店
3.(絵本)『トマトさん』田中清代/作・絵 福音館書店
4.(手遊び)三ツ矢サイダーの歌
5.(絵本)『まほうのコップ』藤田千枝/原案 川島敏生/写真 長谷川摂子/文 福音館書店
6.(絵本)『めっきらもっきらどおんどん』長谷川摂子/作 ふりやなな/絵 福音館書店
7.(わらべうた)さよならあんころもち

おはなし会で楽しんで(?)もらった後はいよいよ読み聞かせの技術と実践です。

まずは、用意した新しい絵本に開きぐせをつけるところから始めました。
みなさんが丁寧に時間をかけて開きぐせをつけていく様子からも、本を大切にする気持ちが伝わってきてうれしくなりました。

その後、ふだん聞きなれない「天・地」「小口」「のど」など本の各部の名称や左綴じ、右綴じの違いもしっかりと頭に入ったところで、
持ち方、ページのめくり方、読む体勢など実演を交えて具体的に話を進めていきました。

そして、「『自分が読んで楽しいと思う絵本』を、心をこめて読んでください」とだけ付け加え、
一人ずつ前に出て読み聞かせをしてもらいました。
選んだ絵本は自分で持ってきたお気に入りの本を「本の選び方」の講義を聞いて、こちらで用意した本に変更した人もいました。

練習時間が短かったせいか、ページをめくる際に腕で絵が隠れてしまったり、
文章を読むのに一所懸命になり、絵本が上向きになったり、聞き手に視線が行かなかったりと改善する点はたくさんありました。

それらを修正するアドバイスを一人一人にし、また、本番と同じスタイルでくりかえし声に出して読み込む大切さを伝えたところ、
全員が読みきかせをする本を、翌日に備えて家に持ち帰りました。

「しっかり準備!とにかく練習」って言い過ぎましたかね?(反省)

2日目、発表の様子

二日目は、プログラムの作り方の講義の後、テーマや対象年齢を設定し、昨日選んだ本に新たに1冊を加え、プログラムを考えての発表。

発表前の練習では持ち方や立ち位置を自分なりに考え、わからない所はすぐに質問し、
講師が言っていたちょっとしたコツを忠実に守ろうとする努力の跡が見られました。

特に感心したのは、その絵本の楽しさを伝えようとページのめくり方をそれぞれが工夫していた点です。

例えば、展開を考えて次のページの分を少し読んでからめくる。
ゆっくり、素早くと緩急交えた間の取り方をしてみるなど、短い時間で良くここまで吸収した!と驚きました。

それともう一つ、高校生の組んだプログラムで、対象年齢やテーマを考えた選書には、なるほど!!とうならされるものがありました。

発表も素晴らしく、指摘された点は改善が見られ、
しかも各人の持ち味が出た読み聞かせになっていましたので、みんなに最優秀賞をあげたいと心から思いました。
実際に投票の結果も僅差でした。
(保護者の皆様にも投票にご協力いただきました。ありがとうございました)

その僅かな差は、いかに楽しんで読み聞かせをしたかどうか、聞き手に伝わってくる楽しさの度合いの差だったのではないかと思いました。

2日目、発表の様子

参加してくれたみなさん、今回の講座をきっかけに、さまざまな場所で自信を持って読み聞かせ活動をしてくださいね。

中・高生が一所懸命、何かに取り組む姿にさわやかな感動を覚えた2日間でした。
どうもありがとうございました。

2018-02-01 15:39

出版ニュース(2017.4下旬号)掲載記事を公開

投稿者:fumie

雑誌『出版ニュース』(2017年4月下旬号)に掲載の記事
「NPO法人げんきな図書館が図書館業務からの撤退を決めたわけ」を公開いたします。
第103回全国図書館大会 発表報告」の記事と合わせてご覧ください。

PDFファイルはこちら

以下画像はクリックで拡大します(3枚)


2017-12-07 15:57

「ちっちゃい子のためのぽかぽかプレーパーク」レポート

投稿者:fumie

ぽかぽかプレーパーク@はるのおがわプレーパーク
12月3日(日)10:00~16:00
参加者:計)約100名

ぽかぽかプレーパークは赤ちゃんや小さな子とその親御さん向けのイベントで、親子で一緒に体をたくさん動かして楽しむイベントです。
そのイベント内で「踊るおはなし会」をメインに合計3回のおはなし会をしました。

 

〇ござ談会(新米パパママと先輩パパママとの座談会)


・「さんかくサンタ」tuperatupera(絵本館)
・「うちのママってすてきなの」アンソニー・ブラウン(評論社)
・「パパ、お月さまとって!」エリック・カール(偕成社)
・「ちいさなあなたへ」アリスン・マギー/さくピーター・レイノルズ/え(主婦の友社)
この回では、子どもはパパとママが大好き!が伝わる絵本を中心に選びました。
特に「ちいさなあなたへ」では、涙ぐむママたちも多かったです。
読み聞かせの他にはどんな絵本を選んだらいいのかなど、子どもと絵本の時間を楽しんでもらえるようなお話をさせていただきました。
とても穏やかな雰囲気で、パパとママにはおそらく久しぶりの絵本を楽しんでもらえたようです。

 

〇おいしいものおはなし会


・「やさいさん」tuperatupera(学研)
・やさいのうた(手遊び)
・「ぽんちんぱん」柿木原 政広(福音館書店)
・パンやさんにおかいもの(手遊び)
・「りんご」松野 正子/文 鎌田 暢子/絵(童心社)
子どもたちがたくさん遊んでいるところで、「絵本読むよー!」とスタートしました。
「やさいさん」を広げるとあっという間に、大勢の子どもたちが集まりページをめくるたびに「にんじーん」「だいこーん!」と大盛り上がりでした。
この絵本は対象年齢がとても広く、赤ちゃんから小学生までみんなが楽しめるすごい絵本だと改めて実感しました。
何度読んでも楽しい!という子どもたちの気持ちが伝わってきました。

 

〇踊るおはなし会


・はじまるよったらはじまるよ(はじまりの歌)
・あわてんぼうのサンタクロース(歌)
・「もこもこもこ」谷川 俊太郎/著 元永 定正/イラスト(文研出版)
・「だるまさんが」かがくい ひろし(ブロンズ新社)
・「ぴょーん」まつおか たつひで(ポプラ社)
・「ペンギンたいそう」斎藤 槙(福音館書店)
・「はらぺこあおむし」エリック・カール(偕成社)
・「パンツのはきかた」岸田 今日子/作 佐野 洋子/絵(福音館書店)
・「おおきなかぶ」A.トルストイ/再話 佐藤 忠吉/画(福音館書店)
メインの踊るおはなし会には50人を超えるお客様が集まって下さり、体をいっぱいに動かして絵本の世界を楽しみました。
プレーリーダーのくはっちさんが絵本の世界を体を使って見事に表現してくださり、初めての試み「踊るおはなし会」は大盛況に終わりました。
 
どの回にもたくさんの親子連れが参加して楽しんでくれました。
メイン以外の回は会場の雰囲気を見てやろうと考えていたので、多めに絵本を持って行ったのがよかったようです。
その場の雰囲気で絵本を選ぶのは大変ですが、どの本も素晴らしくそれぞれの本が持つ力に助けられたところも大きかったと思います。
ご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。

2017-10-21 15:40

第103回全国図書館大会 発表報告

投稿者:fumie

10月13日(金)、2017年度 第103回全国図書館大会で発表しました。

第1分科会 公立図書館における指定管理者制度
山本昭和教授は分科会の基調講演で「指定管理者制度の弊害について」と題して制度を導入するなと訴えられました。
①教育活動を担うべき職員が頻繁に入れ替わる
②教育活動に資する蔵書が構築できない
③官制ワーキングプアの温床
④「図書館の利用は無料である」の静かな危機
⑤不必要で高額な出費による市民負担が増大
⑥蓄積されてきた図書館ノウハウの破壊
⑦自治体における図書館ノウハウの喪失
以上の7項目について全て具体的な例を示しながら、実はサービスの向上、コスト節減にも繋がらないのだと批判されました。

ついで、日本図書館協会図書館政策企画委員会の座間直壯さんが、「公共図書館の指定管理者制度―2016」の説明をされました。
特に、①郷土行政資料の収集への危惧 ②図書館事業に関する蓄積の劣化 について話され、図書館における基本計画やサービス計画を図書館自らが策定し、自治体の計画に反映することが求められていると結ばれました。

お二方のお話を受け、渡辺の報告は「図書館業務からの撤退~13年の委託請負現場から見えてきたもの~」と題し、NPO法人げんきな図書館がやってきたことをお話することで、図書館員が経験を積むことができない制度を導入してはいけないと、お伝えしました。
なお、ご参考までに当日のパワーポイント原稿を添付します。
(図書館ノートのリンクから飛んできた方は、下の(more…)をクリックすると画像で確認していただけます)

24枚が1つにまとまったPDFファイル

(more…)

2017-10-21 15:40

荒川区立第九中学校 読書講演会・懇親会 レポート

投稿者:fumie

10月13日(金)荒川区立第九中学校で開催された「読書講演会」(児童作家:いとうみくさん登壇)に参加しました。
同中学校で国語教師として勤務し、図書館担当をしている友人の相談に乗ったことがきっかけでご招待頂きました。
友人はもちろん、校長先生、学校司書のご厚意により、講演会後のいとうさんとの懇親会にも混ぜていただくことができ、図書館の見学もできましたので、こちらも合わせて報告いたします。(図書館見学記はこちら

「本は生きるために必ずも必要なものではないが人生に豊かさをもたらしてくれる」
 読書に関わる講演会のほとんどで聞く言葉です。今回、いとうさんもおっしゃっていました。
読書推進に携わる身として、私も心からそう思います。それは児童書も一般書も変わらないものだと思います。
いとうさんは児童書と一般書の違いについて、児童書は「子どもが希望を感じられるもの」と位置付けられました。
極端に言ってしまえば、一般の小説は主人公が自殺して終わってもそれも一つの結末を持つ「娯楽小説」として片づけられる。
しかし、日本は若者の自殺率が世界でも高く、次の一歩が見つからずに諦めてしまう子がたくさんいる。
そんな中で、これを助けるために物語の中に希望を書くと。社会的な問題を提示し、子どもたちに直球で問いかけるんだと。
さらに「本は人の生き方が書いてあるから面白い」というお話には何度も頷きました。
「どうやって話を考えるか」「話を書くときに意識すること」という生徒たちからの質問に、いとうさんは一貫して「話ではなく”人”を書く」と答え続けていらっしゃいました。
話はもちろん大切だけれども、まずどんな子を書きたいかを考えるのだそうです。
いとうさんの作品の登場人物たちが、現実に存在しているかのようにリアルに感じるのは、このように作られているからなのですね。
「登場人物のモデルにしている人は?」という質問もありましたが、これも人物描写がしっかりされている賜物なのではないでしょうか。
本がもたらす豊かさが何か、説明するのはなかなか難しいと思うのですが、いとうさんが「本との出会いは人との出会いと似ていて、良い本に出会えた時に友だちがひとりできたような気持になれる。合わない人(本)と無理に付き合う(読む)ことはしなくてもいい」と言われたことは、きっと生徒たちの心に響いたと思います。
そして、最後の「子ども時代は楽しいが、だからこそ苦しいことや嫌なこともたくさんある。大人はもっと楽しい。逃げ場もたくさんできる。だから今がしんどくても頑張って」というエールは、私が中学生の時に誰かに言ってもらいたかった言葉だなあと思いました。
自分が中学生の時にこの講演を聴いていたら、と考えてしまうほど素晴らしい講演でした。
後ろから見ていて、生徒たちの背筋が最後までピンと伸びていたのが本当に印象的でした。

図々しくも、懇親会でいとうさんに3つの質問をさせていただきました。
最初は1つだけのつもりだったんですが…快くお話して下さって感謝しかありません。
本当にありがとうございました。

*低学年向け(絵本)と高学年向け(よみもの)で書き分けるために気を付けていること
A 低学年向けは重たいテーマや社会的なテーマを避け、そういった話を書いても明るく終わるようにしている。

*メッセージ性の強い作品はどう思うか(公共図書館で読み聞かせ等する場合は授業ではないので楽しんでもらえる作品を選ぶことが多いので)
A 明確に伝えたいことがあって書くことはあまりない。書きたい人物像があって、その人物を書くようにしている。

*これまで書かれた作品で図書館や書店に「これだけは置いてほしい」作品は?
A 『アポリア あしたの風』(童心社/2016.5刊)童心社の紹介ページ

2017-10-21 15:39

図書館見学レポート(荒川区立第九中学校図書館)

投稿者:fumie

10月13日(金)に荒川区立第九中学校の学校図書館の見学をさせていただきました。
同日に参加した「講演会」のレポートについては別ページをご覧ください。(読書講演会レポート

 

学校図書館は校内の奥の方や、角にあるイメージがあります。
第九中学校の図書館も同様でしたが、図書館入り口の掲示物に圧倒されました。

先生がひとりひとりお勧めの本を持っている写真がズラッと並び、その横に本が展示されています!
多くの学校の図書館を見てきたわけではありませんが、生徒のお勧めはあっても、先生がここまでされているのは初めて見ました。
さらにこの本を展示するために使われているもの、なんだろう?と思ったら1リットルペットボトルを切って加工したものなんですね!今後の参考にさせていただきます。

図書館の中に入ると、カウンターにも本がずらり。
後ろには過去、講演会に登壇された作家のサインが飾られているのが見えます。

また、講演会に合わせて司書が頑張って集めた、いとうさんの著作がズラッと並んだテーブルが。
生徒が書いたという立派なポスターもあり、思わず写真を撮りました。
特別広い図書館ではありませんが、読書をするためのテーブルと椅子のスペースがしっかりと確保されている上、書架と書架の間にも余裕があり、窮屈に感じない良い図書館です。

書架には司書や生徒が書いたポップがたくさん付けられていてなんとも賑やか。
ホワイトボードにびっしりと貼られたポップは先日の授業で作ったものだそうで「苦手な子にも簡単にできるよう色紙を活用した」と教えていただきました。
ポップづくりはやらせる側からすると紙とペンだけでいいので準備も簡単ですが、得意な子と苦手な子の格差が顕著に出るので、実はとても難しいのです。素晴らしいアイデアだと思いました。

ポップだけでなく、鉱物の本の隣には本物の鉱物を置いたり「図書館で調べるコンクール」で生徒が書いたものをきちんと展示していたり、生徒に図書館を活用してもらうための努力がいたるところに見えます。

また、新聞切り抜き資料をしまう棚がありましたが、新聞の活用には学校全体で力を入れているそうで、毎日各教室に新聞を1部ずつ置いているのだそうです。スゴーイ!!
夏休みの宿題には「新聞記事のスクラップ」があり、廊下や空き教室に展示されていました。

そして、図書館に置かれた大きなモニター。
これは何?と疑問を口にすると「電子黒板」だと教えてもらいました。
図書館ではこれで検索方法などの実技を交えて指導するそうです。
全クラスに導入されていて、タブレット端末も使用しているとのことでした。
学校図書館では司書が常駐していない、図書担当(司書教諭)の先生がいても関与しないなどの問題もあると聞きますが、この第九中学校のように、司書をきちんと配置し、先生と連携を取って授業に活用している様子を見ると、教育の現場ではこれがあたり前であるべきだ、と強く思いました。
図書館の価値を高める努力を、今後も続けていきたいですね。

直接、校長先生にご挨拶できず残念でした。
校内撮影及び、写真を使用してのレポート掲載を快諾頂き、この報告をもってお礼に代えさせていただきます。
第九中学校のみなさま、ありがとうございました。

2017-10-18 18:58

「中・高生のための 読み聞かせボランティア養成講座」レポート

投稿者:fumie

10月7日(土)と8日(日)の2日間「中・高生のための読み聞かせボランティア養成講座」を開催しました。

初の試みで、1日目3人、2日目2人の合計5人の参加となりました。
企画段階では、いちばんのターゲットである渋谷区立の中学生の秋休みに合わせ、定員10名、3日間連続講座の予定でしたが、まるまる3日間は厳しいのではないかと考え、1日目は金曜or土曜のどちらかを選び、日曜日に全員で実践・発表をする2日間連続講座に変更し、募集を開始しました。
ところが「1日だけなら参加できるが1日だけでは駄目か」と積極的なご意見を頂き、最終的に1日だけの集中講座として再募集を行いました。
ですので、企画が二転三転する中、2日連続講座の募集時から参加の意思を見せてくれた子には、申し訳ないことをしたと思っています。
しかし、絵本が好きでTwitterの広報を見て栃木から渋谷まで駆けつけてくれた子や、普段から読み聞かせのボランティアをしていて、技術向上を目的に来てくれた子、声を使う仕事を目指していてそれに「読み聞かせ」を関連付けて参加してくれた子など、全員がバイタリティに溢れ、私たち講師も非常に良い時間を過ごさせてもらうことが出来ました。
以下、単元ごとの講師の感想です。

1.絵本の選び方
当初の募集よりかなり少ない人数での開催となりましたが、午前中の絵本の選び方から実際にいろいろなタイプの絵本を参加者も一緒に読みながら進行していったので結果的にはちょうどよい人数でした。
まずはなぜ絵本は読み聞かせに適しているのかということを、具体的にどんな本があるのかを絵本をレジュメに沿って読み比べながら説明しました。
様々なタイプの絵本を用意して、実際に手に取りながらお互いに絵本を読み合いながらの進行は少人数だからこそリラックスした雰囲気で進めることができました。
当初は私が絵本を読みながら進行する予定でしたが、少人数だったからこそ参加者にも読んでもらったことで、どんな絵本が読み聞かせに向いているのかを実感を持って分かってくれたのではないかと思います。
反省点としては、話が広がりすぎて要点がぼやけてしまったので、きちんとまとめておけばもっと分かりやすく要点を伝えられ、より午後の実践に活かせたのではないかと思いました。

参加者同士で読み聞かせする様子

2.読み聞かせの技術
午前中の講義「絵本の選び方」で、何度か実際に読んでみてもらいましたが、この時は「ただ読むだけ」の子がほとんどだったため、午後のこの単元では最初に「本番の読み聞かせだと思って大真面目に読んでください」とお願いしました。
この時点で、本の持ち方や声の出し方などは具体的に指示していませんでしたが、午前中の講師の読み聞かせを見て学び取ってくれたのでしょう、自分の立ち位置を考え、声の出し方に明らかな改善が見られました。
そして、読み聞かせをしている写真を(2日目は動画を)聞き手の視点から撮り、全員でそれを見て問題点を指摘し合いました。
5人に共通した改善点は「本の持ち方」です。文章を読むために顔が前に出てしまい、自分が読みやすいように本が倒れてしまっていました。
また、絵が正面を向いていても傾きが大きく、聞き手からすると絵が見にくい、と感じるものでした。
レジュメを追いながら、実演を交えて要点を一つずつ解説し、和気あいあいと楽しい雰囲気で進行しましたが、みんなのうんうんと頷いて聞いている様子から、真剣に取り組んでいることが伝わりました。
最後は15分間の練習の後、発表を行い、最優秀者を決定しました。
全員、見違えるほどに上達しました。この年代の子たちは頭がスポンジのように柔らかく吸収しやすいのだなあとひしひし感じたほどです。
本の持ち方から、ページのめくり方、文章の間の取り方、声の抑揚の付け方など、すべての点で良かったところはより良く、苦手だったところはボランティアとして活動できる水準に達しました。

実演では熱心に聞き入ってくれました

参加にあたって「自分が読み聞かせしたい絵本を1冊持ってきてください」という宿題を出しました。
選んで持ってきてくれた絵本を紹介します。

1日目
『どうぞのいす』 香山 美子/作 柿本 幸造/絵 (ひさかたチャイルド)
『いいから いいから』 長谷川 義史/作 (絵本館)
『くまのコールテンくん』 ドン・フリーマン/作 松岡 享子/訳 (偕成社)
2日目
『100万回生きたねこ』 佐野 洋子/作 (講談社)
『りんごかもしれない』 ヨシタケシンスケ/作 (ブロンズ新社)

講義の中で、私たちが用意した大量の絵本の中から、自由に見て読んでもらう時間も設けました。
実演の際には「この中から選んだものでもいいよ」と声をかけましたが1日目の子たちは、お話が長くて読むのが大変でも、自分が持ってきた本を読むことを貫きました。
反対に2日目の子たちは、ふたりとも持ってきた絵本を実演には使わず、並べられた絵本の中から選びました。
この中には「読み聞かせには向かない」ものも混ぜていて、2日目の最優秀者決定には、絵本の選書の部分が影響したかなと思っています。
でも「自分が好きなものを人に読んで伝えたい」という気持ちは、大切にしたいものです。
「自分が読みたいもの」と「読んで相手に伝わるか」ということが、必ずしも一致しない点について、私たちもずっとジレンマを抱えています。
今回受講してくれた子たちには、基本から伝えることを目的としていたので、どうしても「定番のもの」を最優先に勧める傾向にありましたが、たくさんの絵本を読んで、審美眼を養い「読み聞かせに向かないけど良い本」「向かない本をどうやって人に伝えるか」ということも、是非考えてみて欲しいですね。

また、参加人数が少ない中「最優秀者」を決めることに、多少の躊躇いを感じましたし、特に2日目は2人しかいませんでしたから、随分と悩みました。
しかし、最優秀者を取れなかった子が「悔しい」と言ってくれたことを非常に嬉しく思います。
真剣に取り組んでいたからこそ、出た言葉だと思います。
最後の発表で「下手」だと思った子は一人もいませんでした。それぞれに特筆する良さがあり、それを生かした選書、読み聞かせが出来ていました。
私たちも見習わなければ、と思うことがたくさんありました。ぜひ、今後のげんきの活動の中でお手伝いをしてくれたら嬉しいです。

不手際が多く、最後の最後まで不安だらけでしたが、参加者の5人に助けられて無事終えることが出来ました。本当にどうもありがとう。また、見学に来てくださった保護者の皆さまも、見守って下さり、ありがとうございました。
次回は来年の夏に開催できれば、と計画しています。

2017-08-06 17:39

なかのZEROこどもフェスティバル「絵本の森」レポート

投稿者:admin

8月5日(土)と6日(日)、NPO法人ZEROキッズに誘っていただき、なかのZERO美術ギャラリーで小さな絵本のワークショップを開催しました。

夏休み真っ盛りだし、子ども現れないのではと甘~く見たのが大間違い!!

昼過ぎには思い思いの絵本を作成する子どもたちで机がギュウギュウに。
気がつけば、用意した絵本台紙30冊が品切れ状態。「糊がない」「はさみ貸して」「マスキングテープまだ使う」「色鉛筆の赤は」「ピンクの色紙どこ?」「消しゴムは?」と、あちこちから上がる声をさばきながら、絵葉書などを利用した表紙に、A4用紙を8折にした本文を貼り付けて30冊超追加作成。
反省しきりの初日は約60名が参加?。(忙しすぎて、気がついたら何冊作成したか分からなくなって、正確な人数把握ができないという、嬉しい悲鳴)

翌日に向け、40冊を(寝ないで作成、これはウソ)準備。
6日も40冊がいつの間にか無くなっていたので、2日間で100人ほどが参加と思われます。(アバウトでごめんなさい)

絵本作成では、子どもたちの自由な発想に毎回驚かされます。
お話を考え1ページ1ページを丁寧に埋めていく子、しりとりで絵本を作る子の「スイカ」~「水分補給」には参りました。

また、もりひさしさんの絵本100冊の展示された「本の森コーナー」では随時読み聞かせを行いました。
更に、両日とも午後3時からは、おはなし会を開催しました。

図書館業務撤退により事務所を引き払い何だか淋しく思っていた時期に、子どもと沢山触れ合える楽しい企画ができました。
参加してくれた子どもたち、子ども以上に絵本作成に燃えていた保護者の皆様、誘ってくださったZEROキッズの皆様、そして芸達者な我がNPOの会員の皆様ありがとうございました。

2017-04-28 14:02

米原万里展 盛況のうちに終了しました

投稿者:admin

4月14日から27日まで、ギャラリー大和田で米原万里展を開催しました。
会期中の入場者は816人、予想よりは少なかったものの、みな熱心に展示をご覧になり、著書を1冊読んでしまわれる方もありました。
意外とお若い方も来館され、万里さんファンが増殖していること実感しました。
展示開催とスタッフに対する感謝の言葉と、今度はどこで開催されますかという、主催者冥利に尽きる言葉を沢山いただきました。ありがとうございます。

対談トークでは、万里さんの毅然とした面、激しい一面が披露されましたが、意外と繊細な万里さんも紹介していただき、文章からも読み取れる優しさに納得でした。
対談の記録は、河出書房新社から出版される『米原万里』に収録されます。
4月1日の申込初日で定員に達する人気で、お断りするのが心苦しかった主催者といたしましても、出版のあかつきには是非お買い求めいただき、会場の雰囲気を味わっていただければと思います。
米原万里ファンの皆様には、何より、出版文化の灯を消さないためにもお買い求めいただけるとありがたいです。

来館者ノートから感想をご紹介します。(一部、編集してあります)

万里さんの文章に初めて触れたのは、確か読売の日曜版「お酒が宗教より優れているわけ」ロシアの小咄でした。
コラムを書いた方の名前を控えておくことも知らなかった子供だったのに、数年後に文庫本で再会して嬉しかった。
それから本を買い漁り、数年後訃報に泣いた。
万里さんに導かれて始めたロシア語を細々とでも続けて、いつか万里さんの御本についてロシア人と話をしてみたい。それが今の私の夢。

偶然にも「ハルヴァ」の話を再読したばかり、物産展などで似たようなものを探すようになってしまいました。
ひょっとしたら万里さんの描写が上手なのであって、それほどおいしいものではなかったりして・・・! と思うこの頃です。

今日はコンサートに来たのですが、偶然というか必然にも万里さんと再会することができました。この再会のために導かれたのだろうと思います。

米原万里という名前は、見たことがある程度でした。
写真や文字や映像、エピソードから、知りたいと思いました。明るくかっこよい文章の世界に入ろうと思います。

私は韓国出身ですが、米原万里さんは韓国でもよく知られています。
国際感覚とユーモアも備えた素晴らしい人だと思っています。まだ読んでいない著作を1冊づつ読んでいくつもりです。

岐阜からわざわざ見に来ました。やっぱりすごい人ですね!

米原さんと、中ソ下ネタ噺でもしてみたかった。

ヒトのオスも1回くらい飼っていただきたかったです。そして、その感想を聞きたかった。

学生時代から愛読しています。何度でも知的な刺激を与えてくれる作家であるだけに、若くして亡くなったことはつくづく惜しい。
今報道の仕事に携わっています。米原万里の厳しくも暖かいマスコミ批判、きちんと届いています。

万里さんの存在も、残された本も日本の財産ですね。

全て読んでしまいました。新作をもっともっと読みたかった。

ハルヴァを食べた後に来ました。「ニベアの青缶」の様なハルヴァを夢見つつ・・・米原さんの人間性が分かるとても興味深い展示でした。

来て良かった。恐らく今の自分の一部を占めている方です。良い機会となりました。

昨日、友人のTelで催しを知り駆けつけました。今この混迷した世界を彼女ならばどう思うのかなと想像する日々です。

世の中にこんなに沢山万里さんが好きな方が居ると分かってとても幸せです。そして、神様はこんなに早く万里さんを連れ去ってしまったのか、今も恨んでいます。

私も日露をつなぐ架け橋になりたいです。

三重県の雑木林から、所用があって東京へ。新幹線車中で週刊新潮の福岡伸一さんの記事を読んで、急遽予定変更。
田舎者が、ここを探して探してたどりつき、愛してやまない米原万里さんの展覧会でひととき過ごせ大満足。
友人で同郷のロシア大好きおばさんに良いお土産話も出来ます。何だか。とても嬉しい1日のスタートでした。

学生時代に万里さんにロシア語と民族ダンスを習いました。授業の脱線が楽しみで休まず出席しました。
1日でドレスを縫ってくださったこともあり多才ぶりに驚かされました。

ずっと憧れのすごい先輩です! 私も語学の仕事をしているので真似はできませんがいつも参考にしています。励みになります。もう一度本を読み返してみます。

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