2017-04-28 14:02

米原万里展 盛況のうちに終了しました

投稿者:admin

4月14日から27日まで、ギャラリー大和田で米原万里展を開催しました。
会期中の入場者は816人、予想よりは少なかったものの、みな熱心に展示をご覧になり、著書を1冊読んでしまわれる方もありました。
意外とお若い方も来館され、万里さんファンが増殖していること実感しました。
展示開催とスタッフに対する感謝の言葉と、今度はどこで開催されますかという、主催者冥利に尽きる言葉を沢山いただきました。ありがとうございます。

対談トークでは、万里さんの毅然とした面、激しい一面が披露されましたが、意外と繊細な万里さんも紹介していただき、文章からも読み取れる優しさに納得でした。
対談の記録は、河出書房新社から出版される『米原万里』に収録されます。
4月1日の申込初日で定員に達する人気で、お断りするのが心苦しかった主催者といたしましても、出版のあかつきには是非お買い求めいただき、会場の雰囲気を味わっていただければと思います。
米原万里ファンの皆様には、何より、出版文化の灯を消さないためにもお買い求めいただけるとありがたいです。

来館者ノートから感想をご紹介します。(一部、編集してあります)

万里さんの文章に初めて触れたのは、確か読売の日曜版「お酒が宗教より優れているわけ」ロシアの小咄でした。
コラムを書いた方の名前を控えておくことも知らなかった子供だったのに、数年後に文庫本で再会して嬉しかった。
それから本を買い漁り、数年後訃報に泣いた。
万里さんに導かれて始めたロシア語を細々とでも続けて、いつか万里さんの御本についてロシア人と話をしてみたい。それが今の私の夢。

偶然にも「ハルヴァ」の話を再読したばかり、物産展などで似たようなものを探すようになってしまいました。
ひょっとしたら万里さんの描写が上手なのであって、それほどおいしいものではなかったりして・・・! と思うこの頃です。

今日はコンサートに来たのですが、偶然というか必然にも万里さんと再会することができました。この再会のために導かれたのだろうと思います。

米原万里という名前は、見たことがある程度でした。
写真や文字や映像、エピソードから、知りたいと思いました。明るくかっこよい文章の世界に入ろうと思います。

私は韓国出身ですが、米原万里さんは韓国でもよく知られています。
国際感覚とユーモアも備えた素晴らしい人だと思っています。まだ読んでいない著作を1冊づつ読んでいくつもりです。

岐阜からわざわざ見に来ました。やっぱりすごい人ですね!

米原さんと、中ソ下ネタ噺でもしてみたかった。

ヒトのオスも1回くらい飼っていただきたかったです。そして、その感想を聞きたかった。

学生時代から愛読しています。何度でも知的な刺激を与えてくれる作家であるだけに、若くして亡くなったことはつくづく惜しい。
今報道の仕事に携わっています。米原万里の厳しくも暖かいマスコミ批判、きちんと届いています。

万里さんの存在も、残された本も日本の財産ですね。

全て読んでしまいました。新作をもっともっと読みたかった。

ハルヴァを食べた後に来ました。「ニベアの青缶」の様なハルヴァを夢見つつ・・・米原さんの人間性が分かるとても興味深い展示でした。

来て良かった。恐らく今の自分の一部を占めている方です。良い機会となりました。

昨日、友人のTelで催しを知り駆けつけました。今この混迷した世界を彼女ならばどう思うのかなと想像する日々です。

世の中にこんなに沢山万里さんが好きな方が居ると分かってとても幸せです。そして、神様はこんなに早く万里さんを連れ去ってしまったのか、今も恨んでいます。

私も日露をつなぐ架け橋になりたいです。

三重県の雑木林から、所用があって東京へ。新幹線車中で週刊新潮の福岡伸一さんの記事を読んで、急遽予定変更。
田舎者が、ここを探して探してたどりつき、愛してやまない米原万里さんの展覧会でひととき過ごせ大満足。
友人で同郷のロシア大好きおばさんに良いお土産話も出来ます。何だか。とても嬉しい1日のスタートでした。

学生時代に万里さんにロシア語と民族ダンスを習いました。授業の脱線が楽しみで休まず出席しました。
1日でドレスを縫ってくださったこともあり多才ぶりに驚かされました。

ずっと憧れのすごい先輩です! 私も語学の仕事をしているので真似はできませんがいつも参考にしています。励みになります。もう一度本を読み返してみます。

2017-03-30 20:03

研修レポート「図書館で本を選ぶということ―図書館の自由の視点から― 」

投稿者:admin

2017年3月13日(月)18:30~20:30
文化総合センター大和田 2階 学習室
講師:山口 真也 先生(沖縄国際大学教授)

今回の研修では、実技で実際に選書を学ぶのではなく、「図書館の自由に関する宣言」を手がかりに、本を選書するために我々司書が何を求められているのかを考えました。
前置きに山口先生が「図書館員としての根っこを強くする話」とおっしゃっていましたが、まさにその通りであったと思います。

近年に起きた倫理観をめぐっての選書問題を事例として、宣言の「知る自由」は「知る権利」と同義であること、それは「基本的人権を守るために必要な情報を得ること」であることを説明していただきました。
基本的人権の中には「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」があり、労働だけでなく余暇に対しても発生します。
ポルノ的資料をはじめとして、娯楽小説やCDなど、資料としては価値が低いと思われるものでも「余暇を楽しむための資料」として選書される理由は見つかる、ということで、非常に納得のいくお話でした。
また、「こどもに悪影響を及ぼす可能性がある」という理由で排除されている資料については、国内外の事例も多様(喫煙・飲酒・宗教上の問題)であり、大変驚きましたが「悪い部分を理由とした排除には際限がない」こと、それは図書館の自殺行為であることを改めて考えました。

資料が必要であるか否かは、利用者それぞれが決めることであり、司書は苦情が寄せられた場合でも、しっかりとした見解に基づいて蔵書を守らねばならない、と感じました。
「我々司書は利用者に対して“読ませない権利・義務”を持っていない」ということが、今までの選書問題に感じていたもやもやする部分を明文化し、晴らしてくれたように思います。

司書の無資格化が進み、現場に選書権のない館も増えている現在、図書館の蔵書を支えていくためには、その役目が現場の司書(図書館員)であると、ひとりひとりが自覚を持ち、訴えていかなければならないのでしょう。

2017-01-18 20:13

専門図書館見学レポート2(公益財団法人日本交通公社 旅の図書館)

投稿者:admin

昨年11月の専門図書館見学に引き続き、今回は港区青山にある「旅の図書館」に伺いました。
運営は、公益財団法人 日本交通公社であり、子会社・株式会社JTBが良く知られています。
案内をして頂きましたのは、大隅さん、福永さんです。
 
 
●歴史

法人の歴史は前身となる機関を含めると大変長く、1912年に「ジャパン・ツーリスト・ビューロー」として発足しており、当時はまだ日本人が外国に出向くことが少なかった時代、外貨を獲得するために設立されたそうです。
そして1963年、営業部門を分離し、現在の株式会社JTBが生まれました。
観光分野における研究機関として、研究員の方は30名弱いらっしゃるそうです。

図書館自体は、1978年に「観光文化資料館」として開設され、1999年に現在の名称である「旅の図書館」に変更しています。
場所自体も、これまで2度の移転をし、当初八重洲にあった時は、本部と資料室が別々にあり、連携があまり出来ていなかったと聞きました。
同ビルへの地下階への移転を経て、現在の本社がある青山のビルへと移転し、2016年10月にリニューアル開館しています。

リニューアル前は、旅行に役立つ資料を中心に、約3万5千冊の蔵書数だったそうですが、リニューアル後には、研究や実務に役立つ図書館として、約6万冊の蔵書数になっています。
資料数が増加したことからも分かるように、より研究機関としての役割を強くし、観光文化の向上に尽力していこうという姿勢が見えます。

そして、リニューアルとコンセプト変更の背景には、来館者数の落ち込みがあったようで、その主な要因に「2度の移転・立地条件の変化」「インターネットの普及による旅行情報手段の変化」の2点を挙げられています。
一般的で時事性の高い資料を多く置くよりも、この図書館でなければ見られない、より専門性が高く希少な資料を置くことを目指したのですね。
 
 
●施設の構造と資料構成

図書館施設は2階構造になっていて、1階と地下で構成されています。
2階部分は研究員の執務室ということでした。

まず入り口を入ると、ギャラリーと呼ばれる展示スペースが見られます。
常設展示と企画展示があり、企画はだいたい3カ月に1度変えるそうです。
展示台は特注で、様々なパーツを使ってカスタマイズ出来るそうで、面出しが出来る壁と、ガラスケースが一体になっている展示台は大変羨ましいです。
ただ、展示については「図書館だから、もちろん本を見せたいのに、本だけでは一辺倒になってしまうので、見せ方に悩んでいる」とお話を伺い、痛く共感しました。

各階には名前があり、1階は「ライブラリープラザ」と言い、人が集まって交流してほしいという意味合いが込められているそうです。
受付窓口は、図書館利用者だけでなく、総合窓口として、このビルに訪れた人すべての人が足を止める場所になります。
資料はすべて館内での閲覧のみになり、簡単な利用でも申請が必要なのですが、それは顔の知らない人が、図書館の椅子に気付いたら座っているということはないようにしたいと、おっしゃっていました。

1階は比較的新しい資料が揃えられていて、特集展示と一般的な旅行ガイド(国内のもの、海外の日本のガイド)や、国内外の機内誌を含む雑誌が置かれています。
機内誌は国内外合わせて約40誌あるそうで大変驚きました。

見学前は、一般的な旅行ガイドがさぞたくさん集められているだろうと予想していたのですが、研究機関としての役割が強いため、リニューアル後は絞られ3種類ほどでした。
フロアに入って右側には古書の展示も見られます。

地下階は「メインライブラリー」と言い、この図書館の中枢となります。
しかし、1階と異なり、ある程度の個人情報を提示し、申請をしてカードキーを貰わなければ利用が出来ません。
地下へと続く扉には、ロックがかかっており、カードキーをかざすことで入室が可能になります。
エレベーターも設置してあるのですが、こちらも同様に利用するためにはカードキーが必要でした。
そしてエレベーター自体が非常にオシャレなデザインで、なんと同じモデルは日本国内にはないとのこと。
図書館でこんな素敵なエレベーターに出会うとは…私、夢にも思っていませんでした!
階段で降りた場合にも、階段横の壁には作り付けの本棚があり、シリーズものの資料が並べられていて、うっとりしてしまうほど大変魅力的です。
階段に座り込んで資料を読まれる利用者の方もいるというお話には納得。

それはさて置き、地下の書架は半分が移動式書架になっています。
その中でも、自由に開閉できるところと、研究員向けのため、鍵のかかっているところがありました。
さらに保存書庫として位置づけられているものは、研究員の持つ鍵でも開けられないのだそうです。
場所が確保できないので、移動書架の一部を保存書庫にしたということでしたが、これには思わず膝を打ちました。
(と、よくよく考えてみれば富ヶ谷図書館は逆の発想で、閉架書庫の移動書架の一部を開架にしていますが)


この階に収められた雑誌は、所謂バックナンバーなのですが、自社で発行している『JTB時刻表』は30年分、『るるぶ』は2000年以降のものは保存しているそうです。
そして驚いたのは『るるぶ』がまるで高級な本のように製本されて、書架にびっしりと並んでいる様子でした。

これだけの資料を保存するには、やはり除籍の問題も付きまとうようで、除籍をする資料は電子化を進めていくとおっしゃっていました。
また、デジタルコレクション用の閲覧PCが完備されていて『ツーリスト』『旅』の電子版を読むことができます。
1日におひとりは利用があるそうです。
 
 
●独自分類

資料の並びは独自の分類で決められています。
リニューアル前はNDC分類を使用していましたが、今回のリニューアルを気に、分類を考え、一新したそうです。
1万冊ほどの資料の内容を確認し直して分類を付け直したとのこと、同じ司書としてその努力には頭が下がる思いです!

ここで使用されている記号は2つ。
それにNDCを含めた3つの分類方法で構成されています。

T=観光研究図書(研究分野の専門資料) 青色のラベル

F=財団コレクション資料(財団・JTB関係資料、統計・白書など) オレンジのラベル

NDC=基礎文献(0門~9門の中で観光・旅行に関わるもの) グレーのラベル

「T」は観光という意味である「ツーリズム Tourism 」から取っているそうです。

分類を表示するラベルは一目でわかりやすいよう、色分けがされています。
すべての分類に対して3段ラベルが使用されているのですが、T分類の資料にのみ、3段目に(特定の地域資料の場合)地域を表示するようになっています。
ほとんど使用されない2段目と3段目が、とても気になってしまい、理由を伺ったところ、今は使用していないけれど今後使うかも?とのことで、専門図書を分類する上で柔軟性を重視しているのですね。
独自分類の難しさが垣間見えました。
 

●内装、配置のこだわり

今回の見学では、所蔵資料の構成以上に驚いたことがあります。
内装、配置のこだわりの強さです。
1階にも地下にも、とにかくテーブルと椅子・ソファが多く、その数51席。
それがまるでカフェのようなソファとテーブルなのです。
そしてなんと、これらはすべてショールームやお店で実際に座ってみて吟味したのだそうです。
1階中央にある大きなテーブルは、本を立てて展示できるようにもなっていて、作業の合間の息抜きに手に取って楽しんでもらえるのかもしれませんね。

また、ミーティングルームやそれに準じたスペースも多く、地下には会議室もあります。
我々はここで図書館についてご説明頂きました。
会議室の壁は可動式で、閲覧席があるスペースまで、会議室を広げることができるそうです。
机を並べ直し、セミナーやシンポジウムに利用されるのだとか。
「たびとしょCafe」という名称でイベントも行われ、研究交流の場づくりに一役買っています。

1階雑誌架も、既製品を見た上で希望のものがなかったために特注したとのことで、そのアイデアが素晴らしく、分厚い雑誌や保存量が多い雑誌もきちんと収まるよう、1ボックスと、その2つ分の大きさのボックスが等間隔であります。
そして大きい雑誌にも対応できる十分なサイズ。
ぜひこの仕様を、いつか図書館用品各社にも製造販売して頂きたい!
私はこの雑誌架に一番興奮しまして、このレポートを書いている現在も羨望して止まないのです。
 
 
●まとめ

書架に並んでいる資料には、公共図書館にも蔵書しているものが多くありましたが、シリーズものや、逐次刊行物の圧倒的な量のバックナンバーは目を見張ります。
専門図書館ならではの蔵書構成です。

そして、利用しやすく交流が増える、居心地の良い図書館にしたい、という熱意がひしひしと伝わってきました。
近年デザイン性の高い図書館は着実に増えていますが、現場にいる人間が図書館空間を考えることで、こんなにも素晴らしい図書館ができるのか、と改めて空間構築の重要性も感じることができました。

旅行が好きな人や、調べ物をする人だけでなく、本が好きなすべての人に、一度足を運んでみてほしい図書館です。
旅の図書館のみなさま、見学会にご協力頂き本当にありがとうございました。


◆公益財団法人日本交通公社 旅の図書館 基本情報

*利用条件
・入館料 無料
・貸出 不可
・利用者の制限なし

*蔵書数 60,000冊
・観光研究資料(T分類) 約8,000冊
・財団コレクション資料(F分類) 約27,000冊
・基礎文献(NDC分類) 約13,000冊
・その他雑誌など

*閲覧席 51席
・1階 20席
・地下 28席+ソファー席3席

*付帯設備
・1階 検索用PC1台
・地下 検索+海外ジャーナル閲覧用PC2台、デジタルコレクション閲覧用PC1台
・各階 複合機、プリンター1台ずつ

旅の図書館webサイト https://www.jtb.or.jp/library/

2016-11-18 13:07

専門図書館見学レポート(味の素食の文化センター・食の文化ライブラリー))

投稿者:admin

2016 年 11 月 10 日 ( 木 ) 、港区高輪にある公益財団法人 味の素食の文化センター・食の文化ライブラリーの図書館見学をさせていただきました。
味の素食の文化センターは、食文化研究活動の支援や、食文化発展のための普及事業を行う財団法人。味の素株式会社が開始した食文化事業を継承しつつ、 1989 年に設立されました。
食のライブラリーは、財団が 1989 年から収集してきた食分化に関する単行本、学術論文、雑誌、古書、錦絵などを集めた食の専門図書館です。

写真1

●所蔵資料
図書:約 40,000 冊
映像資料:約 300 本、古書:約 2000 冊、錦絵:約 200 点
●設備
地下閉架式書庫、閲覧席 10 、グループ閲覧室、雑誌閲覧コーナー、図書検索システム 2 台、コピー機1台、ビデオ・CD – R・DVD視聴ブース2席、ロッカー

図書館の1日の来館者数は約 20 名で、主な利用者は食文化を研究する学者や学生、企業関係者や出版社、ライターなど。有名料理人や三ツ星シェフも訪れるそうです。

利用の際は、荷物を図書館横のロッカーに預けます。専用の袋を貸していただき館内に貴重品等を持ち込みすることができます。
味の素研修センターに間借りをしているため、ブックポストや駐輪場がありません。
図書館の為に作られていない建築なので作業部屋がなく、スペースが狭いのも問題点。
地下書庫には雑誌のバックナンバーや古い本が所蔵されているとの事。
新刊は週に 4 ~ 10 冊ほどで、書架に限りがあるため選書に苦労されているそうです。
案内をしていただいだ財団の方によると、独自の分類で目的の本が探しやすいよう工夫されており、時代によって足しているそうです。
蔵書は図書館内の端末や財団のホームページでも検索可能です。
以下、配架分類記号表を引用させていただきます。
A◆食文化一般 ( 文化論、日本の食文化、世界の食文化 )
B◆食材 ( 食材総論、食材各論…農産物、畜産物、水産物、その他 )
C◆食品 ( 食品学総論、食品製造・加工法、食品各論 )
D◆調理 ( 調理学・食感覚、調理の道具、日本の料理書、海外の料理書、菓子・デザート、パン、飲料 )
E◆食生活 ( 食生活論、食事作法、行事・儀礼食、食器・食事用具、食事環境、飲食論、飲食文学・エッセイ、飲食雑学 )
F◆外食産業 ( 食品産業・外食産業、給食、飲食情報 )
G◆食と健康 ( 栄養、安心・安全、健康、国際栄養・国際協力 )
H◆食料経済・農業・農政 ( 食料・食糧問題、農畜水産業、フードシステム、マーケティング )
I◆児童向け図書
K◆外国語資料 ( 食文化、食材・食品、料理書、レファレンス資料、栄養・健康 )
R◆レファレンス資料 ( 辞書、古辞書、百科事典、テーマ別事典、地図・年表、便覧、調査・統計資料、文献目録、他機関研究報告、味の素関連刊行物、財団関連刊行物、食関連会社の社史、図録・写真集 )
L◆雑誌

写真2

購入、寄贈された図書は受入後は最初に新着図書コーナーに置かれるそうです。
棚の横には、テーマごとに面陳列されているコーナーもあり、給食、芸術、和食、鍋、築地など様々な分野ごとに面白そうな本が並んでいました。
また、江戸時代に出版された本の原書や錦絵など、食に関わる貴重な本は鍵のかかった棚に所蔵しており、一般の利用者も手続きをすれば手にとって見せてもらえます。

写真3

今回紹介していただいた貴重書は、日本で初めて出版された主婦向け料理雑誌「料理の友」です。大正時代に出版された雑誌ですが、良い状態で保存されていました。家庭の日常食や、華やかな料理のレシピも掲載されており、日本人の食生活を雑誌から探ることができそうでした。ただ、戦後刊行された同雑誌は厚さも薄く、紙の質もあまりよくありません。

また、昭和 10 年に刊行された食べ歩き本、安井苗二著『大東京 うまいもの食べある記』の中には、私たちが普段働いている渋谷付近、渋谷道玄坂のカフェや百貨店の飲食店が掲載されており、味などの感想が自由に表現されていたのが印象的でした。

同じ建物内の 2 階に「食文化展示室」があり、通常見ることができない所蔵品の錦絵などが展示されています。錦絵と見合わせて再現された江戸時代の幕の内弁当や八百善の切組燈籠などの展示は見ごたえがありました。本を読むよりも絵をみることで当時の様子が伝わりやすいのかもしれません。
また、展示室の隣にある「食と暮らしの小さな博物館」は社会や世相の流れとともに味の素グループの歩みなどが紹介された施設。それぞれの時代の食卓の様子やその時代を象徴するようなモノが展示されていました。

写真4

写真5

今回、専門図書館を訪問し、食という分野でこれだけの本があるのかと、その多さに驚かされました。
また、スペースの都合で今後どのように選書をしていくのか気になりました。
なかなか見かけることがない本が沢山ありますので、食に興味のある方や、調べ学習をする際は是非一度行ってみてください。

2016-09-27 19:00

東京国際ブックフェアレポートvol.5大ベストセラー「告白」はこうして生まれた!

投稿者:admin

【東京国際ブックフェアレポート5】
9月25日(日)
◯大ベストセラー「告白」はこうして生まれた!
湊かなえ 作家
平野優佳 (株)双葉社 文芸出版部 副編集長
川庄篤史 (株)双葉社 取締役 営業局長

「全くの新人が小説を書いただけでは、本にはならない。
本を作って売ってくれた人たちの話も一緒に聴いて欲しかった」という湊さんからの提案で、編集・営業や書店を交えた話にしたそうだ。
お蔭で、編集や営業の裏話も聞けて3倍楽しめた。

シナリオの会話は3行までと言われている。
それを逆手にとり、絶対映像化できないように、しゃべり続ける作品を書こうと思った。
最初の原稿は100枚、応募基準80枚に合わせ削る過程で、改行をせず、句読点も極力無くしたら、あの独特の文体となった。
「告白」という書名は、印刷屋さんに到着するまでの20分間で決めてくれという、編集者の無茶振りで誕生した。
表紙のデザインは最終案に決まるまで、机の向きなど喧々諤々したらしいが、本人は本が出来上がるまで、全く知らなかった。等々

「告白」の読後感にやりきれなさを感じていたのに、湊さんはとても素直で闊達な方でした。

(記:渡辺)

2016-09-27 18:57

東京国際ブックフェアレポートvol.4「嫌われる勇気」の誕生

投稿者:admin

【東京国際ブックフェアレポート4】
9月25日(日)
◯100年後にも読み継がれる物語を目指して 人生を一変させる新しい古典「嫌われる勇気」の誕生
岸見一郎 哲学者
古賀史健 (株)バトンズ代表

哲学者は、知を愛する「愛知者」。
これに対して知者は、「この本を読んだら成功する」という人。
プラトンの研究者である私にとって、アドラーは師でもグルでもなく友達、毎日対話しながら訳してきた。
心理学の本ではなく哲学の本。

「嫌われる勇気」は、100年後まで読まれる古典、長く読まれるとともに典拠となる本を目指した。
テレビ映像は、流れる風のようにその場限りのもの。
本は全く異国の大昔の人の言葉であっても、心を揺さぶられるもの。

お話を伺うまでは、巷にあふれる「生き方探し本」だと思っていました。
岸見先生ごめんなさい!
感激のあまり、本を買ってサインまでしてもらい、帰りの電車で読みふけりました。
すべての悩みは「対人関係の悩み」である。シンプルだけど然り!

(記:渡辺)

2016-09-27 18:47

東京国際ブックフェアレポートvol.3「本の学校特別講演」

投稿者:admin

【東京国際ブックフェアレポート3】
9月24日(土)
◯本の学校特別講演
パネリスト
金原俊 (株)医学書院 取締役副社長、医書ジェーピー(株) 取締役
江草貞治 (株)有斐閣 代表取締役社長
鶴巻謙介 (株)サンクチュアリ・パブリッシング 代表取締役社長
コーディネーター 
星野渉 NPO法人本の学校 理事長、(株)文化通信社 常務取締役

雑誌に支えられてきた取次システムが危機的状況を迎えている、書籍の流通システムに未来はあるのか?
医学書出版社、法律書出版社、ベンチャー出版社とそれぞれ傾向の異なる3者が、自社の取り組みを通じて今後の出版流通戦略を語った。
暗い話の中でも、3者ともリアル書店を大事にしていきたいとの心意気が暖かい。

医学出版社6社が、注文は共通のWeb上で受けるが、納品・決済は書店が行う。取引書店との関係を大事にしている。
営業を取次にお任せの現状を何とかしていかねばならないが、直取引をしている出版社によると、書店は5,500店ほどという衝撃的な話が続く。

本を読まない人は検索もしない、本に出会える場である本屋さんを大事にしたい。
書店のマージンをあげ、本屋も元気にしていかないと。日本のコンテンツは世界に通用する。

(記:渡辺)

2016-09-27 18:39

東京国際ブックフェアレポートvol.2「人工知能に負けない『本の読み方』」茂木健一郎

投稿者:admin

【東京国際ブックフェアレポート2】
「人工知能に負けない『本の読み方』」茂木健一郎(脳科学者) 9/23(土)15:00~16:00

まず、皆さんに「不屈の棋士」(大川慎太郎/著 講談社現代新書)を読むことをお勧めする。
人間は、人工知能には敗北することが既に決まっていて、これから人間の存在意義、真価が問われようとしている。

「脳とクオリア」で書いた意識の問題、体験の質感を解くことが私のライフワークだ。
ビッグデータを統計的に最適化するという人工知能の手法では、クオリアは解けない。

現在の社会では、人も機能で評価される。
人工知能のようにふるまう人がビジネスの世界で勝ち抜いてる。
しかし、そもそもテストのために勉強することは意味がなくなるのではないか。

これからの時代こそ、読書は体験である。
1回限りの経験を積み重ね、お互いに体験を分かち合うことに人間の存在価値はあるのではないか。
また、幸せは相対的なものである。
情報を肉体化して、自分のものとして高め、意思決定することで幸せな人生が送れるのではないか。

**********************************
本日の講演会動画は、数日中にYOUTUBEにアップロードされるそうです。

幸せは相対的なものである実例として、堀江貴文さんの話が分かりやすく面白く感じました。
堀江さんは六本木ヒルズに住み、高級なキャビアやフォアグラなどを食べていた人です。
その人が長野刑務所で服役していた時、面会に行った茂木さんに開口一番「今週は、バナナがひとりに半分ずつ出るんだって!」と言ったそうな。
面会は月曜日。バナナが供されたのが何曜日かは聞きませんでしたが、それまでずっと楽しみに、幸せな気持ちでいられたのでしょうね。

(記:内山)

2016-09-27 18:27

東京国際ブックフェアレポートvol.1「だから、今本を読む」内田樹

投稿者:admin

【東京国際ブックフェアレポート1】
「だから、今本を読む」内田樹(神戸女学院大学 名誉教授、思想家) 9/23(土)13:00~14:00

1時間ほど前に新幹線の中で、本日の講演のテーマを知った。
いつもの講義より5分短いので、話を広げた後まとめるに至らなかったらご容赦を、という前振りで始まりました。

************************
日本の大学のアウトプット(配信力)は、OECD加盟国中最下位である。
Amazonなどのおかげで、研究材料は手に入れやすくなった。
それなのに、急坂を転げ落ちるように劣化している。

なぜか。本を読まなくなったからだ。
本と言われるものには2種類ある。商品である本と非商品である本だ。
商品としての本とは「これを読めば○○になれる」などと、事前に効能が開示されているものを言う。
こうした本を読んでも、読んだ人自身は変わることはない。何かが加算されるだけだ。これを、私は本とは認めない。

非商品としての本は、読んだ人の価値観が、美意識が、世界が変わる。
前もって、どう変わるのかは分からない。
私は、子どもの頃「若草物語」で少女の世界を知った。
「むかし少女だったおじさん」だ。

「飛ぶ教室」では内面を持った少年の世界を知った。
本を読むことによって、他者の身体・感性を通して世界を見ることができるようになる。
何にでもなれるのだ。
子どもは現実の世界では卑小な存在なので、切実な思いでそれを望む。
そうした経験を持たずにきた人は、共感力が育たない。
どれほど知識があって賢い人でも、外部のものに対し非寛容である。

この20年ほど、それぞれの組織でプチ独裁化が進んだ。
異なる意見を唱える人は排除されている。
残るのはイエスマンのみ。非寛容な社会になっている。

では、どうするか。(悲しげな顔をしてしばし沈黙)

だから、皆さん、取りあえず本を読めば?(会場、笑い)
自分とは違う性、違う価値観、違う美意識を知ることができますよ。
**************************

時間ぴったりにまとまりました。お見事。

(記:内山)

2016-07-02 16:23

研修「わらべうた」 レポート

投稿者:admin

日時 2016年5月26日(木)午後6時00分~7時30分 
会場 渋谷男女平等・ダイバーシティセンター アイリス会議室
講師 引地 祐子(ひきち ゆうこ)先生

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〈乳児 あそばせあそび〉
・パーヤパヤーニ(顔) …顔のパーツを歌にあわせて指さしたりなぞったりしてゆく
・ココハトーチャン(顔)
・大やぶ越えて(頭→指)
・ニンギニンギ(手首) …歌にあわせて手首を動かしたり、手のひらをかえしたりする
・かれっこやいて(手首)
・ニホンバシコチョコチョ(手のひら)
・オヤユビネムレ(指) …歌にあわせて指を順番にまげていく
・ちょちちょちあわわ(腕、手)
・ニューメンソーメン(腕) …歌の最後でくすぐりをする
・うまはとしとし(膝のせ) …子どもを自分の膝にのせて動かす
・ぎっこんばっこんもものき …子どもをだっこするように抱えて揺らしてあげる
・スッテンテレツク(あやし/見せる)
・つぶやつぶや(お手玉)
・じゃっこかい(お手玉)
・ヅーヅーバー(ハンカチで)…ハンカチから顔を出すいないないばぁ
・うえからしたから(ハンカチで)…2人以上で1枚のハンカチを持ち歌にあわせて上下に動かす
・なべおっきくなれ…2人以上で円になり手をつなぎ、歌にあわせて円を大小させる

〈幼児・学童〉
・ほうずきは(風船つき)
・柳の下には(じゃんけん) …歌の最後「じゃんけんぽん」でじゃんけんをする
・ちんぷんかんぷん(鬼決め) …歌にあわせて指さししていき、最後の人が鬼になる
・ずくぼんじょ(役交代)
・でんでんむし(渦巻き) …一列に手をつなぎ、端の子どもから渦を巻いていく
・奥山のおくの(役交代)
・オテントサン(隊列) …2組に分かれ、じゃんけんなどで勝ち組負け組を決めて歌う
・いどのかわせの(門くぐり)→かってうれしい(子もらい)
…門をくぐりながら質問をして組を分ける、分けた組で子もらい(はないちもんめ)をする
・石より豆より(人間知恵の輪) …一列に手をつなぎ絡まったところを鬼がほどく

〈研修内容〉
上記のわらべうたを、先生の実演の後、参加者全員で実演するという形で教えていただきました。
ひとつひとつのわらべうたについて、実演しながら言葉の意味や子どもが喜ぶポイントを説明して下さり、
分かりやすかったです。

発達はその過程をとばすことができない、産まれてからの情緒的な面も含めた成長、
発達を助け促すことができるのがわらべうたの働きである、とのお話もあり参考になりました。

最後に「あかいふくろに」という詩をイラストと一緒に紹介して下さいました。

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〈感想〉
1時間半の研修で、たくさんのわらべうたを実演で教えていただきました。
やはり1回では覚えきれず、子どもと遊ぶ(遊んであげる)前に、
こちらも繰り返し歌って体に歌とリズムと動きとをしみ込ませる必要があるなと思いました。

乳児向けの手遊びつきわらべうたは、すぐに赤ちゃん向けのおはなし会などで実演できそうですが、
学童向けのもので大きく動くもの(子もらいなど)は、現状受託している館で実際にやるのは難しいかと思いました。
そういった点を踏まえ、現状のおはなし会の読み聞かせにどのようにわらべうたを組み込んでいくか、考えていく余地がありそうです。

ハンカチ遊びやお手玉、風船つきなどの道具を使うものは、比較的学齢が進んだ子でも楽しんで遊べるので、
子ども会などで企画できたらと思います。
そういった、わらべうたや昔あそびといったものに触れる機会を図書館でも提供していきたいです。

今後の行事に活かせるかどうか以前に、実際に歌って遊んだわらべうたはとても楽しかったです。
この「楽しかった」という気持ちを大切にして、今後の行事にわらべうたを取り入れていけたらと思います。

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